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大気汚染物質と規制

工場及び事業場から排出される大気汚染物質に対する規制
物 質 名 主な発生の形態 規制
ばい煙 硫黄酸化物
(SOx)
ボイラー、廃棄物焼却炉等における燃料や鉱石等の燃焼 1) 排出口の高さ(He)及び地域ごとに定める定数Kの値に応じて規制値(量)を設定
許容排出量(Nm3/h)=K×10−3×He2
一般排出基準:K=3.0〜17.5
特別排出基準:K=1.17〜2.34
2) 季節による燃料使用基準
燃料中の硫黄分を地域ごとに設定。
硫黄含有率:0.5〜1.2%以下
3) 総量規制
総量削減計画に基づき地域・工場ごとに設定
ばいじん 同 上及び電気炉の使用 施設・規模ごとの排出基準(濃度)
一般排出基準:0.04〜0.7g/Nm3
特別排出基準:0.03〜0.2g/Nm3
有害
物質
カドミウム(Cd)
カドミウム化合物
銅、亜鉛、鉛の精錬施設における燃焼、化学的処理 施設ごとの排出基準
1.0mg/Nm3
塩素(Cl2)、塩化水素(HCl) 化学製品反応施設や廃棄物焼却炉等における燃焼、化学的処理 施設ごとの排出基準
塩素:30mg/Nm3
塩化水素:80,700mg/Nm3
フッ素(F)、フッ化水素(HF)等 アルミニウム精錬用電解炉やガラス製造用溶融炉等における燃焼、化学的処理 施設ごとの排出基準
1.0〜20mg/Nm3
鉛(Pb)、鉛化合物 銅、亜鉛、鉛の精錬施設等における燃焼、化学的処理 施設ごとの排出基準
10〜30mg/Nm3
窒素酸化物(NOx) ボイラーや廃棄物焼却炉等における燃焼、合成、分解等 1) 施設・規模ごとの排出基準
新設:60〜400ppm
既設:130〜600ppm
2) 総量規制
総量削減計画に基づき地域・工場ごとに設定
揮発性有機化合物(VOC) VOCを排出する次の施設
化学製品製造・塗装・接着・印刷における乾燥施設、吹付塗装施設、洗浄施設、貯蔵タンク
施設ごとの排出基準
400〜60,000ppmC
粉じん

 

一般粉じん ふるいや堆積場等における鉱石、土砂等の粉砕・選別、機械的処理、堆積 施設の構造、使用、管理に関する基準
集じん機、防塵カバー、フードの設置、散水等
特定粉じん
(石綿)
切断機等における石綿の粉砕、混合その他の機械的処理 事業場の敷地境界基準
濃度10本/リットル
吹き付け石綿使用建築物の解体・改造・補修作業 建築物解体時等の除去、囲い込み、封じ込め作業に関する基準
特定物質(アンモニア、一酸化炭素、メタノール等28物質) 特定施設において故障、破損等の事故時に発生 事故時における措置を規定
事業者の復旧義務、都道府県知事への通報等
有害大気汚染物質 

 

 

 

 

 

234物質(群)このうち「優先取組物質」として22物質   知見の集積等、各主体の責務を規定
事業者及び国民の排出抑制等自主的取組、国の科学的知見の充実、自治体の汚染状況把握等
指定
物質
ベンゼン ベンゼン乾燥施設等 施設・規模ごとに抑制基準
新設:50〜600mg/Nm3
既設:100〜1500mg/Nm3
トリクロロエチレン トリクロロエチレンによる洗浄施設等 施設・規模ごとに抑制基準
新設:150〜300mg/Nm3
既設:300〜500mg/Nm3
テトラクロロエチレン テトラクロロエチレンによるドライクリーニング機等 施設・規模ごとに抑制基準
新設:150〜300mg/Nm3
既設:300〜500mg/Nm3
大気汚染物質は、主に肺などの呼吸器系に影響を及ぼし、濃度によっては人の健康を損なうことがある。このため、人の健康を保護し生活環境を保全するうえで、維持することが望ましい基準として環境基準が定められた。
汚染物質 性質 健康への影響 主な発生源 防止対策 環境基準
二酸化窒素
(NO2)
燃料の燃焼により、主に一酸化窒素として発生し、太陽光のもとで二酸化窒素となる。刺激臭があり、水に溶けやすく酸性雨の原因ともなる。 のどや肺を刺激し、気管支炎、肺機能低下などを起こす。 窒素酸化物として
ディーゼル車45%
ガソリン車など22%
工場事業場14% 
自動車排出ガス規制、排煙脱硝設備、低NOx燃料 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又は、それ以下であること。
浮遊粒子状物質
(SPM)
沈降速度が遅く、長期間浮遊している微粒子で、10μ以下のもの。特に、2.5μ以下のものによる健康被害が懸念されている。 気道、肺胞に沈着し、気管支炎や上気道炎などを起こす。 ディーゼル車36%
道路粉じん22%
工場事業場12% 
ディーゼル車排出ガス対策、電気集じん装置、防じんカバーの設置 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。
二酸化硫黄
(SO2)
重油、石炭などの燃焼により硫黄分が酸化され発生する。無色で腐敗した卵に似た刺激性のある気体。俗に亜硫酸ガスという。酸性雨の原因ともなる。 のどや肺を刺激し、気管支炎、喘息性気管支炎などを起こす。 硫黄酸化物として
工場事業場47%
自動車40%
燃料の低硫黄化、排煙脱硫設備 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。
一酸化炭素
(CO)
重油、ガソリンなどの不完全燃焼に伴い発生する。無色、無臭で水に溶けにくい。 血液中のヘモグロビンと結びつき、血液が酸素を運ぶ機能を阻害するので、めまい、酸素欠乏等を起こす。 自動車排出ガス85% 自動車排出ガスの低減 1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。
オキシダント
(Ox)
窒素酸化物と炭化水素類の光化学反応により二次的に発生し(オゾンが大部分)、光化学スモッグの原因となる。 目、のどなどを強く刺激する。 (炭化水素の発生源)
自動車排出ガス、塗料・印刷インク・接着剤などに使われる溶剤など
自動車排出ガスの低減 1時間値が0.06ppm以下であること。
悪臭防止法に基づく規制物質
 
イソブタノール   刺激的な発酵した臭い
酢酸エチル 刺激的なシンナ−のような臭い  
メチルイソブチルケトン   ガソリンのような臭い
トルエン
キシレン 
   
詳細は関係省庁の公表資料でご確認下さい。

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